放送禁止用語で大あわて

前記事 「ヒトラーTシャツの件」http://wp.me/p90f5t-P の関連で思い出したことがあるので、書きます。

もう20年くらい前だったでしょうか、NHKのラジオを聞いてたときのことです。
なんか、誰かは忘れましたが、ある有名映画監督のゆかりの地を訪ねて、そこの土地の人に話を聞いたりするというような番組でした。
で、アナウンサーが地元の人をつかまえて、その映画監督の思い出話を聞いていました。地元のおじさんは、なつかしそうに昔子供の時にその監督が何かの食べ物をくれて一緒に食べながら歩いたとかなんとかいうような話を実に興が乗った感じでしゃべっていました。
そこまでは順調な感じでした。
が、そのおじさんが、・・当時は「物を食べながら歩くと乞食になる」と言われてたのに監督はそんなことを気にせずにおおらかだった・・ということをうれしそうに話しだしたとたんに、その相手のアナウンサーが慌てふためいておじさんの話をやめさせようとしたのです。

アナウンサーはうれしそうに話すおじさんの話に無理矢理割って入ろうとしてましたが、おじさんは何が悪いのかわからないので、どんどん話を続けようとします。それでアナウンサーは尚更じたばたしてました。

明らかにアナウンサーは「乞食」という言葉に反応して、それまでの和やかな流れをかなぐりすてて話をやめさせようとしたのがリスナーには丸わかりでした。
そもそも人にインタビューしといて急にやめさせようというのが誠に失礼でありました。
放送禁止用語を作って自分らが放送のときに使わないのは、まあ放送局の勝手かもしれんが、インタビューされた町の人は関係ないわけです。
しかもこの場合はとんでもないことを言ったわけでもなんでもない。昔ふつうに使われていたことわざを言っただけであります。

今の若い人は知らんかもしれんが、私が子供のころ(今から50年くらい前)でも歩きながら物を食うというのは、かなりお行儀が悪いこととされてました。
お祭りの縁日とか特別なとき以外はあまりなかった気がするなあ。
私も昔、そういうことわざというか言い回しを聞いた記憶があります。
このおじさんも周りの大人から歩きながら物を食うなと言われてたのに、その映画監督がそんなことを全然気にしなかったのが印象に残ってたので、うれしそうに話してたのです。
せっかくちょっといい話で番組が終わるところが、NHKの失礼さだけが際立ったのでした。

 

 

 

 

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